脳ドックでは隠れ脳梗塞、脳動脈瘤などの脳疾患がわかります
脳ドックは、いわゆる「隠れ脳梗塞」をはじめ、成長して破裂するとクモ膜下出血の引き金となる「未破裂脳動脈瘤」、脳腫瘍など、症状が乏しいまま進行する脳の病気の早期発見に成果をあげています。高血圧や糖尿病、メタボ、肥満などの脳卒中の危険因子がある人は、MRIやMRAで脳の画像診断を受けておくと安心でしょう。
無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)
脳の血管が塞がっているにもかかわらず、脳梗塞の自覚症状が現れないケースのことをいい、一般的には「隠れ脳梗塞」と呼ばれています。多くは加齢によるものですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を指摘されている人の場合、リスクはさらに高まります。
自覚症状がないからと放置していると、本格的な脳梗塞の発作に襲われたり、脳の複数の各所で小さな梗塞が起こって認知症の症状が徐々に現れる恐れがあります。脳ドックのMRI検査は隠れ脳梗塞を早期発見するのに有効です。
未破裂脳動脈瘤
破裂していない脳動脈の瘤(コブ)のことで、放っておくと無症状のまま大きくなり、ある日突然破裂して出血する可能性があります。動脈瘤ができる原因は解明されていませんが、高血圧、生活習慣、遺伝などが関係していると考えられています。
脳ドックでは、脳の血管を立体的に描き出すMRA検査で未破裂脳動脈瘤を発見することができます。脳動脈瘤の大きさが7mm以上になると「コイル塞栓術(血管内治療)」といった手術が検討されますが、そうでない場合は、生活習慣の改善に取り組みながら、「経過観察」となります。
脳腫瘍
初期の段階は腫瘍が小さく、無症状で進行することが少なくないうえ、発生部位によっては、かなり大きくなっても頭痛、吐き気・嘔吐、しびれなどの症状が現れません。そのため脳腫瘍の早期診断には脳ドックの画像診断(MRI)が必須です。
脳出血
脳の中に血腫と呼ばれる血の塊ができ、周囲の組織を圧迫したり、破裂して脳の機能に障害をもたらす病気です。脳ドックではMRI検査で自覚症状のない無症候性脳出血を発見することができます。
脳動静脈奇形(AVM)
脳の動脈と静脈の一部が血管の塊(ナイダス)でつながっている先天性の脳血管障害です。静脈内の圧力が高まり、血管が破れて出血することがあります。立体的に脳血管を映し出すMRAで診断できます。
もやもや病
脳内に異常な細い動脈が無数に作られる病気で、徳永英明さんがこの病気を経験されたことで、多くの人にその名が知られるようになりました。厚生労働省により特定疾患(難病)に指定されています。